キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード

キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード

ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著) 櫻井通晴(監訳)
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キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード

ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著) 櫻井通晴(監訳)

【こんな人にオススメ】

・経営者(に限らず組織のトップチーム)
・リーダー
・組織論に興味のある人
・経営企画関係者
・BSCをしっかり学びたい方
・マネジメントに興味のある方
・戦略的な組織を構築したい人
・BSC導入のヒントが欲しい人
・BSCがうまくいっていない人


【こんな本です】

キャプランとノートンがBSCに関して世に出した2冊目の本です。
1冊目の「バランス・スコアカード」が「BSCとは何か?」
に重点をおいて書かれた「基本書」であるとすれば、、
この「キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード」は
「BSCをどう使うか?」に重点をおいて書かれた「実践書」と言えます。

「BSCをどうやって導入・運用するか」
「BSCでどうやって成功するか」
を「戦略志向の組織体」を中心に、
いかに戦略を浸透させ、実行していくか、
豊富な事例を紹介しながら丁寧に解説した価値ある良書です。


【この本を読むと】

・戦略的思考が養われます
・戦略の大切さが理解できます
・「戦略志向の組織体」の必要性が理解できます
・BSCの実践的活用法が理解できます
・BSCの実効力が理解できます
・BSC導入/運用上やってはいけない事がわかります

「素晴らしい!」
こんな綺麗な言葉だけでは表現できない本です。

「何とそこまで書きますか!すごい!」

これが飾らない本心の言葉です。

一つひとつの「概念」であったり「方法」は、
「なぜなのか」「どうしたら良いのか」
「何が悪いのか」「結果どうなる、どうなった」等、
徹底的に、厳しく、丁寧に紹介されています。

また本書全体を通して、
「モービルの事例」はかなり開示されています。
よくここまで見せてくれた、教えてくれたなぁ、
と驚きさえ感じます。

単なる理論書ではない、
ドクドクと鼓動が聞こえてきそうな本。
キャプランとノートンが1冊目でBalanced Scorecardを
世に問うてから約4年間の研究と実践の成果を
「これでもか!」と目の前に展開されたような感覚に
拍手さえ送りたくなります。

(本書には豊富な事例が紹介されており、
それぞれに躍動感がありますが、
個人的にはp.84の食堂でのプレゼンはシビレました、笑)


本書はBalanced Scorecardの導入と運用を前提として、
「戦略志向の組織体」について述べられています。

言い切ってしまうと、
この本では「戦略志向の組織体」の大切さを
1冊使って伝えています。

もう少し詳しく述べれば、
「戦略志向の組織体の原則(5つ)」を伝えています。

本書の理解を深める読み方を御紹介します。
先ずp.7の目次をご覧下さい。
第1章の中に

戦略志向の組織体の原則
 原則1 -
 原則2 -
 原則3 -
 原則4 -
 原則5 -

とあります(ここは色付けしておく事をお勧めします)。

これがとても大事です。

この本はこの5つの原則を解説しているのです。
読書中は、今、自分が何を読んでいるのか、
「原則2 の内容を読んでいる」
「原則3 の事例を読んでいる」等、
意識しながら、
また何度でもこの目次に戻って確認しながら
読み進めると理解が深まる事でしょう。

老婆心ながら、
この本は全14章とFAQで構成されています。

戦略志向組織の原則について →【(第1章)(第2章)】
 原則1 について →     【(第3章)(第4章)(第5章)】
 原則2 について →     【(第6章)(第7章)】
 原則3 について →     【(第8章)(第9章)(第10章)】
 原則4 について →     【(第11章)(第12章)】
 原則5 について →     【(第13章)(第14章)】

こんな構成になっています。
約500ページの大作ですが、
このような構成を頭に入れながら読めば、
迷子にならず最後まで辿り着けますし、
内容がしっかり頭に入ります。

そしてこの原則1「戦略を現場の言葉に置き換える」
の中で紹介されている「戦略マップ」がキャプラン&ノートンの3冊目へ、
原則2 が4冊目へと発展していくのです。

1冊目から2冊目の本書までにもBSCは発展しています。
BSCの進化を感じながら、
「その進化の必要性」を考えた時、
戦略がどのように実行されるべきなのか、
戦略、組織を含め、如何にあるべきなのか、
を共鳴とともに深く理解できることでしょう。

しかし全てを、
この本に書かれている100%を簡単に受け入れられるか、
については「第10章」という問題があるでしょう。
ここには「BSCにもとづく報酬制度」が書かれています。
多分、日本の組織の多くはここが問題になってくると思います。
特に現在の日本は「成果主義」により痛い目にあった企業もあり、
素直に受け入れられないかもしれません。
そんな時には、P.342の下から6行目以降を読んで気楽になって下さい。
(加えてP.343の7〜10行)
勿論、この章に書かれている事は単純な「成果主義」ではありません。
そこで「成果主義」で生まれる問題を吹き飛ばすためにも、
むしろ痛い目にあった方々には読んで頂きたいチャプター(章)です。

チャプターをもう2つ紹介します。
第14章「失敗を回避する留意点」と最後の「FAQ」です。

第14章「失敗を回避する留意点」について。
ここに書かれている事はキャプラン&ノートンだから書けた、
研究と経験から書かれた含蓄のあるメッセージです。
BSC導入・運用に関する「魔法の杖」はありませんが
「転ばぬ先の杖」はここにあります。

「FAQ」について。
ここには私もこれまで、しばしば聞かれたことのあるような事柄
(「尺度はいくつ必要ですか?」等)が書かれております。
きっと参考になると思います。


ボリュームのある本です。
しかしそのボリュームに圧倒される事なく
どんどん読み進める事が出来ると思います。

キャプラン&ノートンが出し惜しみなく、
徹底的に、厳しく、丁寧に書いた、
戦略、戦略実行、戦略実行に関わる組織に関する、
革命的な本です。

一読をお勧めいたします。

(平松)

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