バランス・スコアカードの概念的検討 -「4つの視点」間関係を中心に

バランス・スコアカードの概念的検討 -「4つの視点」間関係を中心に

福田哲也(著)
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バランス・スコアカードの概念的検討 -「4つの視点」間関係を中心に

福田哲也(著)

関東学院大学「経済系」(232 2007年7月)


はじめに
1.バランススコアカードの変遷
1.1 業績測定システム
1.2 業績マネジメントシステム
1.3 戦略マネジメントシステム
2.バランス・スコアカードの概念的検討
2.1 4つの視点と因果関係
2.2財務の視点と論理関係
2.3利害関係者間の対立関係
3.バランス・スコアカード・モデルの概念的整理に向けて
おわりに

書かれた当時は、BSCが生まれ15年程度の段階であり、現在は20年程度の段階である。書かれた当時も、すでにBSCに関わる基本的な構造は全てできあがっている状況で、むしろ、議論としてはBSCの実行段階に目が向いている時期の論文である。

改めて、4つの視点の概念整理については、指摘として非常に参考になる。視点が対立関係から因果関係として捉えられるようになるまでに、どのような考え方の流れがあったのかを確認できる。

本来、視点内外にBSCで表現されるものには、対立関係が多く含まれるのは、当然である。しかしながら、日本でBSCが検討されるに当たり、戦略マップが過度に注目されたために、細かい因果関係に戸惑う企業が多かったようにも感じる。

そもそもは対立関係にあるものを、因果関係として一貫とした大きなストーリーに取り込むにあたって、何を考えるべきかについて、重要な示唆を与える論文である。

但し、それらの概念的整理に目が向きすぎているため、BSCを超えて、複雑で正しい概念整理を目指しているようであるが、そうなると、実務上で利用できるかどうか、という疑問は残る。

P57
(4つの視点の)対立関係は、個々の視点内部での対立する諸要求の関係へと意味内容が変化しており、顧客の諸要求(時間、品質、価格、機能)を同時に満たさなければ結果として財務的な戦略目標は達成されないことが戦略マップでは含意されている。

P58
財務的に好ましい結果が示されている、ということは、媒介する経営実態そのものが好ましいからである。両者に整合性が無いとすれば、それはただ会計的認識・測定技術に内在する論理的な問題が顕在化しているからにほかならない。

P59
そもそも、バランス・スコアカードが設定された4つの視点に、利害関係者集団の視点から設定されているものと、企業の戦略的な要求から導かれるマネジメントの視点から設定されているものが混在し、概念的な整理がなされていないことが根本的な原因であるように思われる。

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