BSCによるシナジー戦略

BSCによるシナジー戦略

ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著) 櫻井通晴、伊藤和憲(監訳)
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BSCによるシナジー戦略

ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン(著) 櫻井通晴、伊藤和憲(監訳)

【こんな人にオススメ】

・何らかの組織に属している全ての方
・経営戦略なんて関係ないと思っている全ての方
・経営者
・経理部の方
・人事部の方
・IT関連部の方


【こんな本です】

キャプランとノートンのBSC 4冊目の本です。

組織間の効果的連携を実現し、
いかにしてシナジーを創出、
高める事が出来るかについて説明されています。

達成されるべき戦略に全ての機能、資源を方向づける。
整合していく。シナジーを高めていく。
この重要な「アラインメント」について、
これまでの3冊同様、キャプラン&ノートンが、
詳細な解説と豊富な事例を用い、
懇切丁寧に理論を繰り広げています。

「部分最適」に陥らず「全体最適」を実現する。
BSCに限らず、組織問題でよく取り上げられる
この課題にも一石を投じる秀作です。



【この本を読むと】

・本社のなすべき役割がわかります
・アラインメントとは何なのかが理解できます
・アラインメントの重要性が理解できます
・企業戦略と事業戦略の効果的連携が学べます
・本社機能と事業部等の効果的連携が学べます
・支援機能(経理、人事、IT等)の役割が理解できます

「んー、やっちゃいましたね」

「やはり、やってくれたね」

賛否両論あるだろうな、と思わせる本です。

私個人としてはキャプラン&ノートン、
「やはり、やってくれたね」と思ってます。
素晴らしい本だと。

ただ、「んー」の気持ちも二つの点で理解できます。

一点目は、本書の内容において「本社の役割」が語られている事です。

勿論、書かれている重要な内容はそれだけではありません。
前 3冊と同じく、重要な概念、考え方、実践方法、
事例等も豊富に詳しく説明されています。

「本社の役割」だけではなくビジネスユニット、
サポートユニットに関しても詳しく書かれています。
(多角企業におけるそれぞれの会社、事業の役割なども)
企業戦略と事業戦略のアラインメント、
または機能戦略とのアラインメント等、様々な説明がされています。
しかしそれらが、本書は(全体的に)「大企業」を想定して書かれている、
そう感じさせるのです。
つまり、多くの方々にとってイメージし難い表現ではないかな、と。
(少なくとも日本の大企業と中小企業、個人事業の比率を考えれば)

BSCは「大企業」だけではなく、全ての組織で構築・運用できるものです。
否、構築・運用した方が良いフレームワークです。
私は「個人の計画」「ライフプラン」等にもBSCは有用だと思っています。

そうした観点から読んで行くと
「んー、この本、私たちには関係ないかな」
と途中で放り投げられてしまう危険性もありそうなのです、笑。

でも、でもですよ、やはり最後まで読んだ方が良いです。
このアラインメントという考え方は「大企業」の為だけではないのです。
あらゆる組織に必要な考え方なのです。
本書では「本社が」「各事業が」というような表現をしていますが、
それらを全て、自分の組織にある「存在」に置き換えてみれば良いのです。

簡単な例を挙げてみますと「本社→社長」、「各事業→社員個人」で
考えても良いのです。

「アラインメントとは」を本書から読み取ることが出来れば、
組織の大きさは関係ない事がわかります。

ただ、その説明に「大企業」が用いられているので、理解し難い、
ページが進まない、というジレンマがあるかもしれませんが、
「大局を捉えられれば良い」そのくらいの気持ちで読み進めて見て下さい。
読了後には得た物の大きさに感動すると思います。



二点目は、あまりに詳細である事。

詳細であるだけではなく、テクニカルワードが溢れている事が、
「んー」となってしまうのではないかと思います。

わかりやすく概念化する過程で言葉を定義する。

これはまさに「わかりやすく」する為なのですが、
本書内で(キャプラン&ノートンが)伝えたい重要な事があまりに多く、
更に徹底的に詳細まで述べている、
それが裏目に出て読者の負担になるのでは、と思うのです。
実際に「言葉を生み過ぎだ」との感想も少なからず耳にしています。

ということでこちらも、あまり出てくる単語・言葉に振り回されず
(学術的にやりたい方は絶対に単語・言葉を軽んじちゃだめですよ)、
「大局を捉えられれば良い」と考えながら読まれたら良いと思います。
最初は「カスケード」なんて言われても、
「はーい、戦略作ったからあなた達もこの戦略にそって活動してねぇ、
って事だろ?」位の理解でも良いです、笑。
その概念が脳内に何となくでも残る事が重要です。
そうすれば必ず理解できる瞬間が訪れますから。

さて、述べてまいりましたように、
二つの点で微妙な評価となるだろうなと感じますが、
それでもやはりこの本は一読に値すると思います。

世界中でのBSC実践結果とキャプラン&ノートン達が
練り上げた知の結晶です。
読まないなんて勿体ないです、笑。

最後に、より効果的に本書を読むための方法です。
1)「全ての機能(ヒト、モノ、金も含む)を戦略に方向づける」
2)「シナジーを創出し高めていく」
この二点を先ずしっかりと認識して下さい。
そして「この本はこの二点を解説しているんだ」
そう思いながら読み進めて頂ければ迷わず、
最終ページまで辿り着けると思います。

本書を読み進める上で「大局を捉えられれば良い」、
この様な表現を使ってまいりましたが、実は、
「アラインメント」自体が大局観を必要とする、
そして大局観を養う考えでもあるのです。


部署間の争いが絶えない。
本社は何考えてるんだ!
何であの支社は理解しないんだ!
どうしてあいつはスタンドプレーばかりするんだ!

相手の机の上にこっそりと本書を置いておくと、
、、、笑。


一読の価値ありです。

(平松)

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